オフシーズンから考える(選手/ポジション編)

ロスター
PG:ギディ(203cm)/マレドン(196cm)/ジェローム(196cm)
SG:シェイ(198cm)/トレ・マン(191cm)/チャールズ・ブラウン(196cm)
SF:ドート(191cm)/ケンリッチ(198cm)/ウィギンス(198cm)
PF:べイズリー(203cm)/ポクシェフスキー(213cm)/ホール(206cm)
C:フェイバース(206cm)/ロビー(203cm)/ロビンソン・アール(206cm)/ムスカラ(211cm)


▶PG
ポイントガードはメインハンドラーとして、トップからボールを運んできてボールをさばいたり、ピックを利用して攻めれる選手が条件となる。ギディ、マレドン、ジェロームの3人がその役を担うことになるだろう。(もちろんシェイもできるが、エースとしてより得点を取ることが求められるので、SGにした。逆にクラッチタイムではシェイがPGも担うだろう)

スタメンをルーキーのギディにしたのは、サイズがあるから。3ガードの他の2人がシェイ(198)とドート(191)なので、時にSFポジションにシフトできるギディの方がマレドンやジェロームより適していると考えた。後はギディがしっかりポイントガードの役割を全うできるかどうか。18歳のルーキーにとっては過酷だが、それをチームが助けないといけない。

マレドンとジェロームポイントガードとして機能することを昨シーズンで証明済み。マレドンの方がピックからのフィニッシュが多彩で、ジェロームの方が3Pシュートが得意。後述のトレ・マンが不調ならジェロームをSGにシフトしてセカンドユニットでマレドンとジェロームを並べるかもしれない。(ただ、個人的にマレドン推しで、ジェロームは後々トレードされるのでは、と思っている。)


▶SG
スコアリング&セカンドハンドラーを務めるポジションで、コンボガードとも呼ばれる。中心はシェイ。ここは揺るがないだろう。控えはトレ・マン。フィニッシュスキルが多彩でサマーリーグでは不発だった外角のシュートも本来持ち合わせている。(もともとトレ・マンはシェイの控えとしてドラフトされたような気がしていて、そうなればマレドンとポジションが被らない。)


▶SF
3ガードの一角だが、ロスターをみるとPG、SGと比べてオフェンスの負担が少なく、ハッスルやディフェンスでの貢献が求められる。その象徴であるドートは、2019-20シーズンにファーガソンからポジションを奪い、ディアロの追随も許さず、そのポジションを確固たるものとした。スコアリングのシェイとの相性もよく昨シーズンは3Pの精度も向上させた。

控えのケンリッチもハッスルで貢献できる選手。複数のポジションを兼任できるので、使い勝手がよく、ポジティブな印象。

ウィギンスはスコアリング寄りだが、フィジカルがあるのでディフェンスでも貢献できそう。場合によってはSGにシフトし、トレ・マンと競わせる可能性もあり。


▶PF
チームの天井を左右する重要なポジション。アウトサイドからの仕掛け、インサイドでの強いフィニッシュ力に加え、外角のシュート力も求められる。この大役をこなすのはべイズリー。べイズリーの良さはリバウンドが強いこと。フィニッシュ力を高め、平均20点近く取れる選手になって欲しい。

その対抗馬のポクはシュート力がうり。特にシェイのドライブペネトレイトに外角で合わせて高確率でシュートを沈められる選手は必要なので、よりシェイの良さを引き出せるのはポクかもしれない。だが、213cmの高身長に見合わぬ弱いフィジカルがネックとなっていて、現状ではPFとして起用できるのか不安あり。1年間しっかりビルドアップをして欲しい。

2wayのホールはかなり荒削りだが、まだ21歳。206cmのサイズとそのフィジカルは魅力なので、酷いアウトサイドシュートを改善して欲しい。


▶C
今オフにホーフォード、モーゼス・ブラウンをトレードで放出し、ブラッドリーとも契約を見送ったことからも分かる通り、比較的優先度が低いポジション。従来のアダムスのような屈強なリムフィニッシャーから、ピックアンドポップからのアウトサイドシュートが打てる選手に路線を変更した。それに当てはまらないフェイバースはトレードデットラインのトレード最有力候補で、中心はロビー、ロビンソンアール、ムスカラ。

ロビーとロビンソンアールのスタメン争いは見物だが、個人的にフィジカルの強いロビンソンアールを推したい。ロビンソンアールはサマーリーグで安定したプレーを見せていてわ思ったよりもアウトサイドシュートが上手くて好印象。ロビーも負けていないが、ケンリッチと同様控えからの出場で層を厚くして欲しい。



こう見ると、来シーズンはトレ・マンとウィギンス、PFのべイズリーとポク、Cのロビーとロビンソンアールのプレータイム争いに注目だ。PGのギディとマレドン(ジェローム)はプレータイムシェアで助け合って欲しいところ。

f:id:Alex-thunder:20210829003144p:plain

オフシーズンから考える(チーム編)

今回の2021年オフシーズンでサンダーが行った主な動き

▶ドラフト
ギディ(6位) トレ・マン(18位) ロビンソンアール(32位) アーロン・ウィギンス(55位)

16位指名権→2022年、2023年指名権(ネッツ)
34位、36位指名権→32位指名権(トレードアップ)

▶トレード
サンダー↔セルティックス (*ドラフト前)
獲得:ケンバ・ウォーカー/2021年16位指名権&2025年2巡目指名権
放出:ホーフォード/モーゼス・ブラウン/2023年2巡目指名権

サンダー↔ジャズ (ドラフト後)
獲得:フェイバース/2024年一巡目指名権
放出:2027年2巡目指名権

▶再契約
シェイ・ギルジャス・アレクサンダー(5年172M)
マイク・ムスカラ(2年7M)
ルーキー契約:ロビンソンアール(4年8M)
2way契約:アーロン・ウィギンス/ジョシュ・ホール

▶バイアウト
ケンバ・ウォーカー(2年72M→20Mサンダーへ譲渡)

▫18歳のギディを一巡目6位で指名、16位指名権を未来の指名権とトレードしたドラフトナイト、シェイとMAX契約を結び、ケンバをバイアウトしたオフシーズンの動きから、当初我々ファンが考えていたものよりも長期的な再建を目指している模様。


2022年以降の指名権
2022年1巡目4個/2巡目1個(*クリッパーズ)
2023年1巡目4個/2巡目3個
2024年1巡目4個/2巡目3個(*クリッパーズ)
2025年1巡目2個/2巡目4個(*クリッパーズ)
2026年1巡目3個/2巡目3個(*クリッパーズ)
2027年一巡目1個2巡目3個

2022年から2027年までの6年間で1巡目18個、2巡目17個の指名権を保有
クリッパーズの一巡目指名権はノンプロテクトなため、場合によってはtop4指名権になる可能性もある。

▫全部は使い切れないので、多くは指名順位のトレードアップや、選手トレードの駒として使われるだろうが、こんなに大量の指名権を保持したチームが過去にあっただろうか…


ロスター
PG:ギディ/マレドン/ジェローム
SG:シェイ/トレ・マン/チャールズ・ブラウン
SF:ドート/ケンリッチ/ウィギンス
PF:べイズリー/ポクシェフスキー/ホール
C:フェイバース/ロビー/ロビンソン・アール/ムスカ

ロスター(年齢/国籍/昨シーズンのpts/契約年数)
ギディ(18歳/オーストラリア🇦🇺/-/4年)
マレドン(20歳/フランス🇫🇷/10.1/3年)
ジェローム(24歳/アメリカ🇺🇸/10.8/2年)
シェイ(23歳/カナダ🇨🇦/23.7/6年)
トレ・マン(20歳/アメリカ🇺🇸/-/4年)
チャールズ(24歳/アメリカ🇺🇸/4.4/1年)
ドート(22歳/カナダ🇨🇦/14.0/2年)
ケンリッチ(26歳/アメリカ🇺🇸/8.0/?)
ウィギンス(22歳/アメリカ🇺🇸/-/2way)
ホール(21歳/アメリカ🇺🇸/4.1/2way)
べイズリー(21歳/アメリカ🇺🇸/13.7/2年)
ポクシェフスキー(19歳/セルビア/8.2/3年)
フェイバース(30歳/アメリカ🇺🇸/5.4/?)
ロビー(23歳/アメリカ🇺🇸/8.7/2年)
ロビンソン・アール(20歳/アメリカ🇺🇸/-/4年)
ムスカラ(30歳/アメリカ🇺🇸/9.7/2年)

▫ここで注目したのはマレドン。昨シーズンポイントガードとして安定した活躍を見せ、平均10.1点。それでいてまだ20歳の若さ。これは今ドラフトの大学2年生のクラスと同年代。サマーリーグでも着実に成長していたので、かなり有望。
次にべイズリー。昨シーズン苦しみながらもスタメンとして出場し、平均13.7点。同じ2年目のドートの活躍で相対的に評価が下がったが、及第点のシーズンだった。(年齢はドートより1つ歳下)
そしてポクシェフスキー(19歳)とギディ(18歳)。ポクは今ドラフト生の中でも6番目に若く、ギディは2番目に若い。毎年着実にステップアップさせられれば、マレドンも含めここの層で面白いコアが出来そう。

つまり、シェイ(23)&ドート(22)&べイズリー(21)の2020年プレイオフメンバー3人組と、マレドン(20)&ポク(19)&ギディ(18)の発展途上の3人組の二つのコアがある雰囲気。
シェイがエースの座を確立しひと足早くMAX契約を結んだことでひとつ飛び抜けていて、特にポクとギディとのプレーの完成度の差が大きい。
上手く成長させられればポク、ギディ、(べイズリー)の天井は高く、シェイと組み合わせるのが楽しみになるが、そうでなければトレードに出される可能性もある。(逆にタイムライン的に将来シェイがトレードされる可能性も否定できない)

サンダーは今オフ、ホーフォードをトレードし、獲得したケンバもバイアウトした。シェイとすぐにコンビを組めそうなシモンズ(PHI)やシアカム(TOR)、バグリー(SAC)、マルカネン(CHI→CLE)をトレードで獲得することをせず、ドラフトでも無理をしてカニングハムやモブリーを獲得しに行かなかった。実力者をロスターに加えなかったのは、来年のドラフトに備える意味と、べイズリー&マレドン&ポク&ギディらにプレータイムをあげ、育成しようとしている意味合いも大きい。

彼らが上手く育って比較的若い年齢で一本立ちすれば、ここ数年のドラフトは成功だったといえるだろう。ドラフトはドラフトナイト単体で評価できるものではなく、数年のスパンで考える必要があるし、サンダーもそれを強く意識しているはず。(ドラフト時の年齢と1~3年目の成績の変化は未来のロスターを考える上で重要な指標になる)

時を遡れば2012年ファイナルのサンダーの主要メンバーはドラフトして育成したデュラント(23)ウエストブルック(22)ハーデン(21)イバカ(22)で、それをセフォローシャとパーキンスがサポートする体制だった。後にセフォローシャとパーキンスの2人は2012年ドラフト組のロバーソンとアダムスと入れ替わり、ハーデンを抜いたデュラント、ウエストブルック、イバカ、ロバーソン、アダムスで2016年ウェスタン・カンファレンスファイナルで73勝ウォーリーアーズに立ち向かった。

新たに再建シーズンを迎え、シェイ、ドート、べイズリー、マレドン、ポク、ギディがコアとなってプレーオフを勝ち上がるのが待ち遠しい。


f:id:Alex-thunder:20210828205934p:plain

サマーリーグ/今シーズンの見どころ

サンダーはラスベガスで行われたサマーリーグで、4試合(DET/NOP/GSW/INP)を戦いました。
そのメンバーの中で最注目だったギディが初戦の開始早々に怪我をしてしまい、残り試合に出られなかったのは残念でしたが、残りの今ドラフト組のトレイ・マン、ジェレマイア、ウィギンスのプレーが見れたのは良かったです。

印象に残ったのは、ジェレマイアの3Pシュートとインサイドディフェンスが思ったよりもいいこと、ウィギンスのオフェンス能力全般が思ったよりも高いこと。2年目のマレドンが成長をみせてくれたことも好印象でした。

彼らが現ロスターのシェイ、ドート、べイズリーらと一緒にどのようにプレーできるのか。まずはローテーションに入るのが大事ですし、ギディやジェレマイアはスタメンの可能性もあります。1年間コンスタントに試合に出て、トレーニングを積み、チームに定着していって欲しいところです。



では今シーズンのサンダーの個人的なみどころをピックアップしていきたいと思います。

①3年目のべイズリー
昨シーズンは、ルーキーシーズンより着実に成績を伸ばしはしたものの、アウトサイドシュートの確率が低かったこと、オンボール時、オフェンスパターンに乏しかったことなどを含め、物足りなさが残りました。

しかし今ドラフトで強力な即戦力が入ってこなかったのは、べイズリーにとって幸運でした。もう1年スタメンで成長の機会を与えられるでしょう。このチャンスを掴んで、スタメンの座を不動のものにして欲しいところです。

昨シーズンはガードでプレーする時間帯もありましたが、なかなか上手くいっていませんでした。今シーズンは3ガード(シェイ、ドート、ギディ)が基本になると思うので、プレーメイクは彼らに任せ、べイズリーにはよりフィニッシュの制度に磨きをかけて欲しいです。

彼の良さはリム周りでの独特のステップやキックアウトパス、打点の高いレイアップが放てることです。今シーズンはアウトサイドシュートと共に、リム周りのプレーの精度を上げ、コンスタントにスコアをするべイズリーが見たいです。3年目のブレイクに期待です。


②ポクシェフスキー
213cmながらシュート、パス、ドリブルを器用にこなす選手ですが、彼の最大の魅力はその高身長から放たれる3Pシュートです。

ルーキーだった昨シーズンはオフェンス時にハンドラー役担うことが多かったですが、今シーズンはシューターに役割を限定して使って欲しいです。というより、ポク自身がボールを持った時にもっと積極的にキャッチ&シュートを狙って欲しいです。

サンダーのスペーシングバスケにおいて、シェイがドライブアタックした後のキックアウト先にポクを配置させておくのは面白いと思います。(実際昨シーズンも何度か見られました)
役割を限定し、それに集中させれば、ポクはもっと活躍できると思います。

フィジカルに加え、パス、ドリブルは向上させないとですが、逆に言えば天井も高いです。べイズリーの2年目と同様に多くのプレータイムを与え、たくさん経験を積んで欲しい、そんな2年目の選手です。


③エースのシェイ
今シーズンが始まる前にサンダーと5年172MのMAX契約を結んだシェイ。この契約が発表された時、とてもほっとしました。なぜなら彼は今回のドラフトでトレードアップのパッケージにされるのではないか、と噂されていたからです。

個人的にシェイのトレードは反対でした。3年目となった昨シーズンに平均23P/5R/6A、シュート成功率50/40/80以上と結果を残し、今後オールスターになるであろう選手だからです。

彼の良さはディフェンスも上手いこと。長い腕を使ったスチールやブロックはサンダーディフェンスに確実にプラスな選手です。その点は、2018年ドラフト組で同じくMAX契約を手にしたヤングやドンチッチとの比較の際に、シェイが優位に立てる点です。そんな選手が、今シーズンを含めてあと6年もサンダーで見れるのは非常に嬉しいことです。

シェイは昨シーズンアウトサイドシュートの効率を上げました。シュートパターンも豊富になり、スコアラーとしてより一段上手くなった印象です。今シーズンはそうした個人の成長と共に、リーダーとしてチームを引っ張る姿をたくさん見たいです。プレーに限らず、ベンチで若手に声をかけたり、ムードを高めたりして、献身的に貢献して欲しいです。これらはサンダーのチームカルチャーとして長く根付いているものです。

GMのサムプレスティは、これからシェイのチームでいくことを決めました。有望な若手からチームのリーダーに。大型契約を手にした4年目のカナディアンからは今シーズンも目が離せません。

OKCの激動の2シーズンを振り返る

2019年のオフシーズン、サンダーはポールジョーのトレード要求から一気に再建の方向に向かいました。まもなく主力のジェラミグラントフランチャイズプレーヤーのラッセルウエストブルックを立て続けにトレード。代わりにシェイギルジャスアレキサンダーダニーロガリナリ、クリスポール、将来の1巡目指名権を獲得。

2019-2020シーズンは高齢で衰えの見え始めたクリスポールの処遇に注目が集まりますがポールはサンダーでプレーすることを決意し、リーダーとしてサンダーを牽引。ポール、アレキサンダー、シュルーダーの3ガードラインナップを採用したドノバンの采配も冴え渡り、下馬評を覆してウェスト第5シードでプレーオフに進出。プレーオフでは第4シードのロケッツと第7戦までもつれる死闘を演じた末、敗退しました。



2020年のオフシーズンは前オフシーズン以上の激動のオフとなります。見事にカムバックを果たしたリーダーのクリスポール、フランチャイズプレーヤーのスティーブンアダムス、デニスシュルーダー、ダニーロガリナリら、主力選手をいっせいに放出。ドラフトではトレードアップをしてセルビア人のアレクセイポクシェフスキー、フランス人のテオマレドンらを指名。チームはヘッドコーチをビリードノバンから若いマークダグノートにシフトし、次のシーズンを明確な再建シーズンと定めました。

2020-2021シーズンのスターターはPGジョージヒル、SGシェイ、SFドート、PFべイズリー、Cアルホーフォード。若手のシェイ、ドート、べイズリー、マレドン、ポクシェフスキーらを育てながら、ベテランのヒルやホーフォードがサポートする体制を構築。シェイが新エースの座を確立し、昨シーズン2way契約から主力の座を掴んだドートが更に成長を加速させるなど序盤戦は善戦。しかしシェイの怪我を境にチームはタンクへと向かい、ジョージヒルをトレード、ホーフォードをシーズン終了まで出場させない方針を取りました。



2021年のオフシーズンはかねてからドラフトに注目が集まっていました。今回のドラフトは例年より優秀な選手がエントリーする予定だったからです。その中でも再注目がオクラホマ州立大学の大型ポイントガードのケイドカニングハム。1位指名が確実視される彼をサンダーは狙っていましたが、ドラフトのロッタリーで不運にも6位指名権を当ててしまったことで彼をドラフトすることが出来ませんでした。代わりにサンダーは6位指名権でオーストラリア出身の大型ポイントガードのジョシュギディを指名。続いてトレ・マン、ロビンソンアールらを指名しましたが、16位指名権をトレードした件も含め、サンダーファンにとって賛否の分かれるドラフトとなりました。

※8月5日現在のサンダーのロスター

PG:ギディ/マレドン
SG:シェイ/トレ・マン/タイジエローム
SF:ドート/ケンリッチ/アーロンウィギンス/チャールズブラウン
PF:べイズリー/ポクシェフスキー/ロビー
C :フェイバース/ロビンソンアール/ムスカ

f:id:Alex-thunder:20210803153355p:plain



【考察1:ジョージとラスのトレード】
2019年のオフシーズンにサンダーは契約が残り2年+プレーヤーオプション1年の残るジョージをクリッパーズにトレードし、シェイ、ガリナリ、1巡目指名権5つ、指名交換権2つを得ました。1回戦負けに終わった前シーズンからの変化が求められるものの、ウエストブルックやアダムスの重たい契約がのしかかり、身動きが取れない状況でのスターの放出は大きな驚きでした。結果的にウエストブルックまで放出してしまったこのオフシーズンのプレスティGMの動きは見事でした。シェイ、ガリナリ、ポールらは今までのサンダーにいなかった新しいタイプの選手で、彼らが既存の戦力と融合したことで、下馬評を、覆す好成績を残しました。
もし仮にジョージをトレードしていなかったらどうなっていたでしょうか。仮にジョージ、ウエストブルックらを中心にもう1年頑張ってプレーオフに出れたとしても、一回戦を突破するのは厳しかったと思います。2018-2019シーズンのサンダーは明らかに手詰まりになっていて、新しい上積みも期待できそうにありませんでした。ウエストブルックのプレーは見るものを魅了するのとは裏腹にそのプレースタイルがプレーオフの結果につながらないことが明白になりつつありました。ジョージのトレードからウエストブルックのトレードに波及した流れは非常にスムーズでした。11年間サンダー一筋のオールスターフランチャイズプレーヤーを放出するのは簡単なことではなかったと思います。もしプレスティの決断が少し遅れていたら、サンダーの2019-2020シーズンのようなエキサイティングなシーズンは見れなかっただろうし、再建も遅れをとることになっていたでしょう。



【考察2:2020-2021シーズン後半のタンクムーブ】
前シーズンから明らかに戦力が落ちたはずのサンダーでしたが、シェイやドートらの活躍、新ヘッドコーチのダグノートの優秀な采配によって予想を超える成績を残していたシーズン前半戦。後半戦でチームのメンターで、優秀なセンターのホーフォードを健康であるにもかかわらずシーズン終了まで出場させない方針を取りました。それに加え、エースのシェイが怪我で欠場し始めたことによってチームは負け続けます。結局シェイはシーズン終了まで出場することなくシーズンを終えることになりました。
このタンクムーブは「健康な選手を試合に出さないのは選手が可哀想だ」という否定的な意見を多く呼びました。ドラフトロッタリーでサンダーが1位指名権をひけなかった際もサンダーを嘲笑する他チームのファンがたくさんいました。それに引きずられるようにサンダーが今回のドラフトで全体6位で指名したジョシュギディに対して、ファンですらネガティブな反応をみせています。
個人的タンクがスポーツマンシップに反することを理解しつつも、理解出来るものと捉えています。弱いチームがドラフトで上位指名権をひける可能性が上がる、というリーグのルールがある以上、ドラフト戦略はチームを強くする確実な手段です。特にFAで選手を呼びずらいオクラホマのような田舎のチームにとってはなおさらです。昨シーズンにおいてもサンダーを含め、6チームがタンクをしていました。タンクをしていたのはサンダーだけでなく、今回1位指名権を獲得したピストンズにも言えることです。



【6位指名権でジョシュギディを指名→16位指名権をトレード】
ドラフトが始まるまで、モックでの6位はジョナサンクミンガ、スコッティバーンズ、ジェームズボークナイトが候補に上がっていました。
4位でバーンズが指名されたことで残りの2人のうちいずれかを指名するだろうと予想されていましたが、プレスティはジョシュギディを指名。ギディはモックでは10位から20位予想だったのでこの指名大きなサプライズでした。
かねてからサンダーは大型のポイントガードのケイドカニングハムを狙っていまたこともあり、ギディはチームのニーズに合う選手でした。しかしまだ完成度の低い素材型の選手のため、6位での指名はファンですら予想出来ませんでした。カニングハムと比べると見劣りしてしまうものの、トレードアップができなかったことを考えると、6位で指名できる選手の中で最良の選手を選んだと信じています。サンダーは一昨年のべイズリー、去年のポクシェフスキーに続いて3年連続で素材型選手の指名をしたことから、時間をかけて選手を育成しようとしています。ギディが1年目からオールルーキーチームに選ばれる可能性は低いかもしれませんが、上手く育成すればフランチャイズプレーヤーとして活躍出来る素地も十分にあります。
ギディの指名と同様に議論を呼んだのが16位指名権のトレードで将来の指名権を2つ獲得した動き。トレード先のロケッツはトルコ人ビックマンのシェングーンを指名。サンダーはロスターにセンターが不足していたため、シェングーンの指名は多くのファンにとって非常に魅力的に映りました。サンダーはなぜシェングーンを指名しなかったのでしょうか。
推測できることは、サンダーが来シーズンもタンクを考えていること。シェングーンが、サンダーが理想とするビックマンではなかったことも考えられます。いずれにしても来シーズンもサンダーは我慢のシーズンが続きそうです。しかし、育成という観点で見ればギディは注目だし、その後に指名したトレ・マンやロビンソンアールも期待できそうです。(ドラフトの後、サンダーはトレードでジャズからフェイバースを獲得。ドラフトの前にトレードが決まっていて、シェングーンをスキップした可能性が浮上しました。)





GMのプレスティは2019年のオフシーズン、ウエストブルックを放出した後、「(再建で)近道をとるようなことはしない」と言いました。それには「多くの痛みがともなうかもしれない」とも語っていました。今後プレスティはどのようにしてサンダーを再び強豪チームに作り替えていくのか、無数にある指名権をどのように活用していくのか、注目が集まります。

THE SUAVE REPORT 翻訳 vsブレーザーズ

みなさんこんにちは、Alexです。

今日は現地時間1/25に行われた対ブレイザーズ戦について興味深い記事があったので翻訳していこうと思います。

 

訳)3連敗中のオクラホマシティサンダーは月曜日の夜ポートランドトレイルブレイザーズ戦に125-122で勝利し、今シーズンで最も印象的な勝利をあげた。

 

この勝利は印象的な勝利だった。なぜならサンダーは2人のスターターを欠いていたからだ。この2人のスターターは唯一の経験豊かなベテランたちだであり、サンダーはロードでベテランを欠いたチームだった。ジョージ・ヒル(34歳)とアル・ホーフォード(34歳)の代わりにルーキーのテオ・マレドン(19歳)が初のNBAゲームでスタメン起用され、アイザイア・ロビー(22歳)が6度目のスターターになった。

ちなみにロビーは(22歳ながら)今夜の最年長のスターターだった。だが、この若いサンダーはポートランドに乗り込んでいって18/40(45%)の確率でスリーポイントを決め、51.2%でショットを決め、アシストでポートランドを25-17で上回り、8つのターンオーバーのみにおさえた。

 

今夜の勝利には信用できる豊富な選手がいて、スタッツシートを見ればそれを理解できるだろう。より重要な議論はサンダーのヘッドコーチのマーク・ダグノーがテオ・マレドンとアイザイア・ロビーをスターティングラインナップに永久に書き入れるべきかどうかだ。

 

その思想がダグノーの考えを横切ったかどうか、を真剣に考えるべきだ。 

 

ヒルとホーフォードがタンク中にこれ以上残ると言うことはできない。それをするのは明らかだからだ。ヒルはキャリア平均を超える11.6ポイントををあげていて、同時に50%のフィールドゴールをあげている。ホーフォードはキャリア平均を下回る11.6ポイント平均にとどまっているが、この二人はとても持ちのいい選手で14年のキャリアでもなお生き残っている。しかしながら将来は彼らではない。殻らは今シーズン終わるころのOKCで残っていないかもしれない。マレドンとロビーはOKCの将来である。ロビーはサンダーの再建に利用できる1人になりうるし、マレドンは将来の伝統的なポイントガードになりうるかもしれない。かれらの試合の前進次第であるが。

 

サンダーはエリートチームとの試合を経験したが(ロサンゼルスクリッパーズレイカーズのような相手)、ヒルはスターティングラインナップに含まれていた。だからそれは避けられなかった。なぜマレドンとロビーにキャリアを飛躍させる機会を与えてはいけないのか。永久にスターティングラインナップの場所を与え、自信を与えることをしてはいけないのか。

 

それは彼らが自信を押し上げる必要があるようなものではない。それは両者の最も大きい強さだ。だが、彼らはサンダーのプランに組み込まれていることは周知で、(そのプランは)疑いなく彼らを助けるだろう。

 

マレドンはあらゆる意味でスタッツスタッファ―ではない。15試合を通して、彼は1試合平均で6.0ポイント、2.3リバウンド、2.7アシスト、36.5%のシューティングしかあげていない。彼の引き出しは、彼の落ち着きコートビジョン、スピード、オンコートでの意識、パス能力、そして最も重要なことは自信である。彼の自信は実際過小評価されている。彼はOKCの一番のボーカルリーダーではないが、20ポイントをあげた彼の最初のプレシーズンゲームから、その自信ははっきり見てとれた。そして彼の強さによって生死を決めようとしている。

 

かなり内向的な性格だが、マレドンの自信は若かりしウエストブルックに似ている。彼のプレイスタイルは彼のメンターであるトニーパーカーにそっくりである。トニーはベストシューターではなかった(スリーポイントシュートが32.1%)が、その仕事を全うし、将来的にホールオブフェイマー(栄誉殿堂)になった。マレドンには同様の未来がある。

 

 

ロビーにとってはたいていの人は気に留めていなかったが、彼はすぐにオフェンスで効果的になれる。6試合のスタートを通して、5度の2桁得点を記録し、平均11.5ポイント、6.6リバウンド、49.8%のシューティングを彼がスタートの時に記録している。ロビーは2年目の選手だが、昨年ほとんど経験を積まなかったので、今シーズンは彼にとってのルーキーシーズンのようなものである。これらの数字は実りのあるNBAキャリアにおいて幸先がいいといえる。そしてもう一度、ちょうどマレドンのように、ロビーは自信を失っておらず、それは彼を長い間助けている。

 

もしサンダーが再建に真剣だったら、そしてもっと将来のチーム作りに関心があるならこれが一番の動きであると気づくだろう:テオマレドンとアイザイアロビーをスタートで起用して、最終的にジョージヒルとアルホーフォードをトレードする。もしサンダーがNBAで新たなスタートをきり、理解されるようになりたいなら。

 

これが将来についてのすべてだ   Fin

 

                                           

この試合でサンダーは勝利を収めましたが、ホーフォードに加えてヒルも欠場したため、スタメンがシェイ(22歳)、ドート(21歳)、ベイズリー(20歳)マレドン(19歳)ロビー(22歳)と、最年長が22歳という若いスタメンとなりました。これはNBA史上7番目に若いスタメンだったとか。

 

今の再建期のサンダーにおいて、ベテランのヒルやホーフォードは長期的なプランに入っておらず、より若いマレドンやロビーをスタメンで使うことは理にかなっています。重要なことは上記3人に加えてマレドンやロビーが自信を持ってプレイをしているということ。すでに2人も今のサンダーに欠かせない選手になっています。

                

これらの若い選手たちが今後のサンダーを強くしていくことを想像すると、毎試合楽しく見れますよね!

 

ここまで読んで下さりありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

1/1~1/23(11games report)

みなさんこんにちは、Alexです。

久々のブログ更新となりますが、よろしくお願いします。

 

まず、3試合目の12/30のサンダーVSマジック戦以降のサンダーの日程と結果、勝敗をのせておきます。

 

1/1 OKC-NOP 80-113  1/3OLD-OKC 99-108 1/5MIA-OKC 118-90

1/7NOP-OKC 110-111  1/9NYK-OKC 89-101 1/11BKN-OKC 116-129

1/13OKC-SAS 102-112  1/14OKC-LAL 99-128 1/16OKC-CHI 127-125

1/20DEN-OKC 119-101  1/23LAC-OKC 120-106

 

この期間、サンダーは5勝6敗、最初の3試合を含めると6勝8敗という成績となっています。シェイやドートら中心の若いチームながら、ここまでよく健闘していると思います。

 

印象に残ったのは、1/9、1/11のニューヨークでの二連戦で地元出身のディアロが大活躍したこと(23point vsNYN  25point vsBKN)や、ホーフォードが欠場した直近4試合でスタメンを務めたロビーがしっかり活躍していることなどがあります。

そのなかでも特に印象に残っているのは1/16のブルズとのホームゲームです。今回はこの試合について深堀していこうと思います。

 

この日までホームゲーム5連敗中だったサンダーは、前年までサンダーのヘッドコーチだったビリードノバン率いるブルズとホームで戦い、オーバータイムの熱戦の末、勝利を収めました。

この試合、相手のラビーンやホワイトを中心に攻められ、第3Q途中まで最大22点差を付けられますが、ドートが攻守で奮闘し(キャリアハイの6スティール)流れを引き寄せると、シェイが4Qで次々と得点を重ね、3点ビハインドの残り16秒で同点となるバスカンレイアップを決め、オーバータイムに持ち込むことに成功。(シェイはキャリアハイの33ポイント)オーバータイムでは粘る相手を振り切り、見事逆転で勝利を収めました。

 

f:id:Alex-thunder:20210123163630j:plain

・この試合はシェイがスター級の活躍。本人のボディランゲージも多めで、若きリーダーとしてチームを鼓舞していたのも印象的。

 

今日はアウェーでクリッパーズに敗れてしまいましたが、ハードに頑張る若手たちを見るのは楽しい!これからもがんばれサンダー!

 

ここまで読んでくれてありがとうございました。

Suave Report 記事翻訳 VSマジック

みなさんこんばんは。Alexです。

今日のホームゲーム、対オーランドマジック戦は結果的に107-118で敗れてしまいました。今日は、このゲームについて、現地の記者の記事を翻訳していこうと思います。

 

 

thesuavereport.com

 

 OKCはオーランドに敗れる:しかし、この日どのような勝利を得たか?

 

OKCサンダーは連戦となるオーランドとのゲームに107-118で敗れた、エキサイティングなロードでのホーネッツ戦の勝利の後に。この完全な再建はより理に適っている。

 

サンダーは今夜、比較的印象的だったが、経験の不足により、この試合を落とした。そしてこれは今後も度々起こりうるだろう。マジックはこの一定期間の間全勝で、イースタンカンファレンスの2チーム同率のトップに立った。

 

サンダーは負けはしたものの、少なくとも1%のよりよい結果を得た。

 

□ポクにとってすべてのものがある、彼のショットを除いて

 

アレクセイ・ポクシェフスキーのコートビジョンは19歳にしてはエリートである。彼は3アシストを味方に提供し、かつ彼はエリートなリバウンダーで、おそらく彼の7フィートの身長による、そしてペイント内でのディフェンス意識も高かった。唯一の疑問点は、いつ彼がスタートで起用されるかということだ。彼の最初の三試合を終えて、彼は16分の1のフィールドゴールという結果だった。知っての通り、彼は3ポイントシューターなので、適応してこれらのショットを成功させることを期待する。

 

□ディアロはとっても活発で、しかしファースト、もしくはセカンドハンドラーではない

 ハミドゥはどうしてサム・プレスティがこの長い期間にわたってロスターにキープし続けているかの理由を証明した、彼はサンダーのロスターの中で最も長い期間在籍している選手である。彼はたくさんの中の若干をなしうる。彼は非常に活発的で、もしチャンスが与えられれば、彼のコートでの動力はそのポテンシャルを発揮する。

 今シーズンはインパクトを残す大きなチャンスで、彼はその瞬間を見つめている。マジックに対して、ディアロは9分の6のショットで13ポイントを挙げ、8リバウンド、2スティール、1ブロックを決めた。彼は3ポイントショットを一度も打たなかった。そしてそれが彼にとって有益であることを証明した。

 ディアロはテキスト通りのガードではない。彼は6フィート5インチかもう少し小さい背の高さで登録されているが、以前のサンダーのデズモンドメイソンを彷彿させる、彼はガード、フォワードでプレイするディアロの選手増にマッチする。これはディアロのポジションで、彼はこうして活躍しつ続けるだろう。

 

□アイザイア・ロビーはサンダーがよりどころにできる選手になりうる

 プレシーズンのメディアデイの間、ロビーはいくつかの自信の問題について話し合っていた、彼は昨年サンダーにやってきて、火曜日のマジック戦の前にたった3試合しか出場していなかった。彼はNBAの試合の最初おスタメンで、周囲をがっかりさせなかった、なんでも、OKCのセカンドスコアラーとして19得点を挙げ、7リバウンド、12分の9のシュート成功、NBAでトップ10センターのニコラブセビッチをワンフェイクで転倒させ、ダンクを成功させたのを含む。

 

□シェイはとても効率的だったが、十分な量のショットを放たなかった

 シェイギルジャス=アレキサンダーのスタッツラインは印象的だった。23ポイント、7リバウンド、7アシスト、10分の8のショットの成功だった。

 問題は彼のそのシュートアテンプトだ。SGAはまだNBAで三シーズン目である。だが、彼は証明する必要があると気づく時である、チームが彼のグリルが必要な時に、彼がコートに出てクッキングをするように活躍する必要があることを。火曜日の夜のゲームは、シェイが30から35ポイントを挙げ、サンダーをクラッチ勝利に導くべき試合の一例だった、それはあと4本か5本より多くのショットを成功させ、そのようなアテンプトを試みる必要があった。だから、現実的に、SGAはキャリアハイの32ポイントを超えるべきだった。

 

インサイドのディフェンスがOKCが負けた理由だ。ポイントの差を広げられた時間帯

 オーランドの118点のうち72ポイントがインサイドポイントだった。OKCのペイント得点は58ポイントで、オーランドはOKCを上回った。もしサンダーがオーランドのペイント得点の確率を落とすことができていれば、このゲームは違った方向に進んでいただろう。特にSGAのより多くのショットアテンプトとフリースローの潜在力によって変わっただろう。

 サンダーは次戦、ホームに帰ってスティーブンアダムスとニューオーリンズペリカン図とニューイヤーズイブに対戦する、イースタンカンファレンスの5試合のロードトリップの前に。

 

 

以上です。初めての翻訳の試みで、ほとんど直訳になってしまいましたが、呼んで下さりありがとうございました。