オフシーズンから考える(チーム編)
今回の2021年オフシーズンでサンダーが行った主な動き
▶ドラフト
ギディ(6位) トレ・マン(18位) ロビンソンアール(32位) アーロン・ウィギンス(55位)
16位指名権→2022年、2023年指名権(ネッツ)
34位、36位指名権→32位指名権(トレードアップ)
▶トレード
サンダー↔セルティックス (*ドラフト前)
獲得:ケンバ・ウォーカー/2021年16位指名権&2025年2巡目指名権
放出:ホーフォード/モーゼス・ブラウン/2023年2巡目指名権
サンダー↔ジャズ (ドラフト後)
獲得:フェイバース/2024年一巡目指名権
放出:2027年2巡目指名権
▶再契約
シェイ・ギルジャス・アレクサンダー(5年172M)
マイク・ムスカラ(2年7M)
ルーキー契約:ロビンソンアール(4年8M)
2way契約:アーロン・ウィギンス/ジョシュ・ホール
▶バイアウト
ケンバ・ウォーカー(2年72M→20Mサンダーへ譲渡)
▫18歳のギディを一巡目6位で指名、16位指名権を未来の指名権とトレードしたドラフトナイト、シェイとMAX契約を結び、ケンバをバイアウトしたオフシーズンの動きから、当初我々ファンが考えていたものよりも長期的な再建を目指している模様。
2022年以降の指名権
2022年1巡目4個/2巡目1個(*クリッパーズ)
2023年1巡目4個/2巡目3個
2024年1巡目4個/2巡目3個(*クリッパーズ)
2025年1巡目2個/2巡目4個(*クリッパーズ)
2026年1巡目3個/2巡目3個(*クリッパーズ)
2027年一巡目1個2巡目3個
2022年から2027年までの6年間で1巡目18個、2巡目17個の指名権を保有。
クリッパーズの一巡目指名権はノンプロテクトなため、場合によってはtop4指名権になる可能性もある。
▫全部は使い切れないので、多くは指名順位のトレードアップや、選手トレードの駒として使われるだろうが、こんなに大量の指名権を保持したチームが過去にあっただろうか…
ロスター
PG:ギディ/マレドン/ジェローム
SG:シェイ/トレ・マン/チャールズ・ブラウン
SF:ドート/ケンリッチ/ウィギンス
PF:べイズリー/ポクシェフスキー/ホール
C:フェイバース/ロビー/ロビンソン・アール/ムスカラ
ロスター(年齢/国籍/昨シーズンのpts/契約年数)
ギディ(18歳/オーストラリア🇦🇺/-/4年)
マレドン(20歳/フランス🇫🇷/10.1/3年)
ジェローム(24歳/アメリカ🇺🇸/10.8/2年)
シェイ(23歳/カナダ🇨🇦/23.7/6年)
トレ・マン(20歳/アメリカ🇺🇸/-/4年)
チャールズ(24歳/アメリカ🇺🇸/4.4/1年)
ドート(22歳/カナダ🇨🇦/14.0/2年)
ケンリッチ(26歳/アメリカ🇺🇸/8.0/?)
ウィギンス(22歳/アメリカ🇺🇸/-/2way)
ホール(21歳/アメリカ🇺🇸/4.1/2way)
べイズリー(21歳/アメリカ🇺🇸/13.7/2年)
ポクシェフスキー(19歳/セルビア/8.2/3年)
フェイバース(30歳/アメリカ🇺🇸/5.4/?)
ロビー(23歳/アメリカ🇺🇸/8.7/2年)
ロビンソン・アール(20歳/アメリカ🇺🇸/-/4年)
ムスカラ(30歳/アメリカ🇺🇸/9.7/2年)
▫ここで注目したのはマレドン。昨シーズンポイントガードとして安定した活躍を見せ、平均10.1点。それでいてまだ20歳の若さ。これは今ドラフトの大学2年生のクラスと同年代。サマーリーグでも着実に成長していたので、かなり有望。
次にべイズリー。昨シーズン苦しみながらもスタメンとして出場し、平均13.7点。同じ2年目のドートの活躍で相対的に評価が下がったが、及第点のシーズンだった。(年齢はドートより1つ歳下)
そしてポクシェフスキー(19歳)とギディ(18歳)。ポクは今ドラフト生の中でも6番目に若く、ギディは2番目に若い。毎年着実にステップアップさせられれば、マレドンも含めここの層で面白いコアが出来そう。
つまり、シェイ(23)&ドート(22)&べイズリー(21)の2020年プレイオフメンバー3人組と、マレドン(20)&ポク(19)&ギディ(18)の発展途上の3人組の二つのコアがある雰囲気。
シェイがエースの座を確立しひと足早くMAX契約を結んだことでひとつ飛び抜けていて、特にポクとギディとのプレーの完成度の差が大きい。
上手く成長させられればポク、ギディ、(べイズリー)の天井は高く、シェイと組み合わせるのが楽しみになるが、そうでなければトレードに出される可能性もある。(逆にタイムライン的に将来シェイがトレードされる可能性も否定できない)
サンダーは今オフ、ホーフォードをトレードし、獲得したケンバもバイアウトした。シェイとすぐにコンビを組めそうなシモンズ(PHI)やシアカム(TOR)、バグリー(SAC)、マルカネン(CHI→CLE)をトレードで獲得することをせず、ドラフトでも無理をしてカニングハムやモブリーを獲得しに行かなかった。実力者をロスターに加えなかったのは、来年のドラフトに備える意味と、べイズリー&マレドン&ポク&ギディらにプレータイムをあげ、育成しようとしている意味合いも大きい。
彼らが上手く育って比較的若い年齢で一本立ちすれば、ここ数年のドラフトは成功だったといえるだろう。ドラフトはドラフトナイト単体で評価できるものではなく、数年のスパンで考える必要があるし、サンダーもそれを強く意識しているはず。(ドラフト時の年齢と1~3年目の成績の変化は未来のロスターを考える上で重要な指標になる)
時を遡れば2012年ファイナルのサンダーの主要メンバーはドラフトして育成したデュラント(23)ウエストブルック(22)ハーデン(21)イバカ(22)で、それをセフォローシャとパーキンスがサポートする体制だった。後にセフォローシャとパーキンスの2人は2012年ドラフト組のロバーソンとアダムスと入れ替わり、ハーデンを抜いたデュラント、ウエストブルック、イバカ、ロバーソン、アダムスで2016年ウェスタン・カンファレンスファイナルで73勝ウォーリーアーズに立ち向かった。
新たに再建シーズンを迎え、シェイ、ドート、べイズリー、マレドン、ポク、ギディがコアとなってプレーオフを勝ち上がるのが待ち遠しい。